ひざの痛み -スポーツバイクでなぜ膝は痛くなる?-
スポーツバイク専門店でフィッターをやっている職業柄、よく「自転車に乗ってて、膝が痛いんですけど・・・」という声をいただきます。
以前のブログでも記載しましたが、元々私がスポーツバイクを始めたきっかけは「膝のリハビリ」でしたので、膝に関する経験値は人一倍あるという自負があります。
医学的見地とは異なり、あくまでも経験則という話にはなりますが、20年以上の経験によって感じた事は多くのサイクリストの方へ参考となるのではないかと思います。ぜひ、一つの意見として参考にいただければと思います。
膝の痛みは、なぜ起きる?
では、なぜ「自転車(スポーツバイク)に乗った時の膝の痛み」はなぜ起きるのでしょうか?
- 怪我をしている
- 体力がついていない
- ポジションが合っていない
- 正しいペダリングができていない
- ケアをしていない
色々なケースが考えられますが、今まで相談いただいた中で、上記に当てはまるケースがほとんどでした。
1.怪我をしている
意外と多かったのが、「いっぱい乗って怪我したみたいだけど、病院に行かずにだましだまし乗っている」というケース。
練習好きな人に多いケースですね。
こういう場合、「まず整形外科に行きましょう」がスタート(笑)
整形外科に行って、問題が無いことが確認できたら、それから以下に記載するようなポイントを探っていくのがベストです。
私もそうだったんですが、病院に行かず、自分の経験とカンでケアして、逆に症状を悪くするという事って多いんですよね・・・
良く言うのは「病院に行くのは安心するため。外科的に問題が無ければ、乗り方とかが悪いはずなので、それを探していきましょう」という感じです。
2.体力がついていない
さて、外科的に問題がない(怪我や病気ではない)ならば、問題は”乗り方”ですが、これまた多いのは「はじめたばっかりで100km乗ったら膝が痛くなった」というようなケース。
もちろん個人差はありますが、スポーツバイクをはじめてそんなに経験が無い人が100kmを走ったら膝なり腰なりに痛みは生じるもの。
ただし、この痛みが激痛だったり、何日経っても痛みが引かない場合は、それこそ別のところに問題があるかもしれませんので、以下のポイントに進みます。
3.ポジションが合っていない
日本人で自転車に乗れない人ってほとんど居ないと思います。
ママチャリや学チャリの感覚でロードバイクなどのスポーツバイクに”とりあえず乗れちゃう”ので、ママチャリや学チャリの延長上でスポーツバイクに乗られる方が非常に多いのも日本のサイクリストの特徴。
スポーツバイクとママチャリは似て非なるモノではありますが、その一番顕著なのがポジション。
リアル店舗のスポーツバイク専門店で購入する際は、手足の長さなどを基準にしてバイクサイズを決めますが、例えばネット通販などでは身長を基準としたざっくりとしたサイジングになりがち。
「ランニングする時にサイズの合わないシューズって履かないですよね?」とよく言いますが、スポーツバイクはサイズが間違っていても”とりあえず乗れちゃう”のが問題なんですよね・・・
4.正しいペダリングができていない
「ポジションが合っていない」にも通じる点ではありますが、結果的に正しいペダリングができていないと、それによる弊害として膝などの痛みが生じてしまう可能性があります。
これを防ぐには第三者が客観的にペダリングを観察する、つまり「フィッティング」であり「コーチング」なんですが、前述のように日本人は自転車(スポーツバイク)に”とりあえず乗れちゃう”ので、軽視されがちなのが問題でもあります。
最近ではフィッティングの重要性が認知されつつありますが、やはりフィッティングを行うのはコアなライダーが多く、本当に受けるべき初心者の方まで行き渡っていないのは、今後の課題と言えますね。
5.ケアをしていない
私がそうでした。とにかく「乗る事が楽しいから、乗りっぱなしになる」というケース。
いくら自転車が膝に対してインパクトが少ないとは言え、やはりそれ相応の強度で乗れば回復させる為に何らかのアクションは必要です。
それがストレッチであり、マッサージだったりしますが・・・この「ケア」に関しては、ちょっと深く掘り下げたいので、また次回の記事にて!